秋風吹き始める盂蘭盆-深川で事件は起こった。美貌の長唄の師匠・お若が夜具の中、半裸で殺されていたのである。お若に魅かれ、足繁く通っていた男たちは八人。やがて、その中の一人、炭薪屋の清兵衛が捕えられるが、それは岡っ引の個人的な遺恨によるものだった…。両国元町の下っ引"闇狩り人"源太が、清兵衛の無実を晴らすべく、夜の闇へ滑り出した!(「猫の幽霊」より)。巧みに擬装された犯罪…死者の無念を晴らす"音無し源"。