縁日の遊び、雪の屋根船、幇間宗匠、湯治場の昔…。江戸のかげのまだ濃い明治の東京を、淡々と何げなく語る。明治から昭和にかけて『団々珍聞』を振り出しに半世紀を新聞記者として活躍した著者は、雑俳の宗匠としても名を成していた。粋人らしい機知と感性、ジャーナリストの観察眼が融合した1冊。