ワシントン郊外、チェサピーク湾にそそぐ川を一望する霧深き高級住宅地。地元社交界の華と謳われる夫人の殺害、財界の寵児と目される夫への疑惑、犯人別人説にひとり固執する女性刑事-だが、物語について口にできるのはそこまでだ。濃密・細緻な描写で綴られる謎は奥が深く、結末は電撃的だ。推理・捜査・法廷小説の傑作。