悲しみ、恐れ、苦悩、そして…恋。思春期の少女の、激しくもせつない心の葛藤を謎めいた夢と、生命の神秘とともに描く、感動の物語。十六歳の大晦日に、ふたごの妹モリーを事故で失ったハンナ。ハンナは大きな喪失感に包まれ、悲しみのあまり、未来さえも恐れるようになっていた。夏になり、家族と訪れた南フランスで、ハンナはサーカスの青年ステファンと出会い、恋に落ちる。モリーに罪の意識を感じる中、ハンナはラスコーの洞窟で、以前自分がそこに「いた」ような不思議な体験をする。また、ハンナが夜ごとに見る古代の少女の夢も、時を越えてハンナに何かを告げようとするのだった。ステファンとの出会いと別れ、そして、夢の世界からのメッセージによって、ハンナはふたたび未来を見つめる力をとりもどし、立ちなおっていく。小学校5・6年生から。