なつかしい人の絵手紙。下戸の好きな酒の肴。道端でよく会う老トラ猫。名文家・青木玉は、なによりも生活の巧者である。日々をていねいに暮らすなかで見出される、小さいけれどもかけがえのないことごとを、祖父・幸田露伴、母・幸田文と過ごした小石川の家の三代の思い出とともに、みずみずしく綴るエッセイ。