20世紀前半、故国ハンガリーの悲劇に巻き込まれていく孤高の天才彫刻家、ワグナー・ナンドール。二度の敗戦、冷戦、動乱、政治犯として指名手配-希望の欠片すら見出せない過酷なまでの運命。それでも作品を刻み続けた彼の胸に深く静かに流れていたのは日本の武士道精神と、妻・千代の温かさだった…。東欧の哀しく激しい時代を生き抜いた男の、愛と信念を描く感動ノンフィクション。