それはオコナー上院議員にとって、再選をかけた選挙戦のさなかの出来事だった。雑誌記者である愛人が自宅アパートで殺害され、しかも自らがその第一発見者となる。死亡推定時刻、折悪しくある人物と密かに接触していたために、アリバイは成立しなかった…。弁護士を経て政界に入り、つねに前進をつづけてきた議員。事件は思いがけず、人生の綻びを浮かびあがらせることになる。