原稿の著者ゲーテは、かつてカーチャの愛人であった理想家肌の科学者だった。以前パーティーで意気投合したバーリーを見込んだゲーテは、国防機密を出版して、一挙に世界的軍縮を実現することを望んでいるのだという。だが国際政治の現実はそれほど甘くなかった。カーチャへの恋心を秘めて再度ソ連を訪れたバーリーは、核の主導権争いに執着する英米情報機関の野望によって、カーチャの身に危険が迫っていることを知る。