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  • 著者柴山元彦
  • 出版社創元社
  • ISBN9784422440101
  • 発行2017年11月

宮沢賢治の地学教室

宮沢賢治の作品に織り込まれた地学の知識を手掛かりに、高校までの地学の基礎を学び直せる、新感覚の参考書。作品を引用しながら、関連する地学の基礎知識を多数のカラー図版とともに解説します。
地学の苦手な文系のあなたも、文学好きの理系のきみも、森の動物たちのためにケンジ先生がひらいた地学教室に遊びに来ませんか。
《本書の特長》
◆「銀河鉄道の夜」「グスコーブドリの伝記」「楢ノ木大学士の野宿」など、多く宮沢賢治の作品を引用。そこに描かれている地学の世界をひもときながら、関連する地学の基礎知識を学べます。
◆宇宙、地球、鉱物、地史、気象と高校の基礎地学に合わせた5章立てで、学校での学習時も参照しやすくなっています。
◆オールカラーの図版をたっぷり用い、話題のスケールが大きく全体を把握しづらい地学の内容を、視覚的に理解できるようにしました。
◆新しいテーマへの導入や、やや複雑な内容、学習者が抱きがちなちょっとした疑問などは、動物の生徒たちとケンジ先生との会話でフォロー。「わからない・むずかしい」のストレスを減らせるように工夫しました。
◆本書を通じて地学の基礎知識を身につけ、ふたたび宮沢賢治の作品を読み返せば、これまでとは違った発見や味わいがあることでしょう。
***
星空をめぐる列車の旅を描いた「銀河鉄道の夜」や、独特のリズムを持つ風の歌が印象的な「風の又三郎」、素朴で愚直な生き方への憧れを歌った「雨ニモマケズ」など、宮沢賢治の作品は、現在も多くの人に読み継がれ、愛されています。
国語の教材や芸術作品のモチーフ、映画の原作などにもしばしば使われていますから、詩や童話の一節なら、誰しもどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。
いっぽう賢治は、作家であると同時に、非常に熱心な地学(地球惑星科学)の研究者でもありました。
子どもの頃から「石ッコ賢さん」と呼ばれるほどの石好きで、岩手山に登って好物を集めたり、イギリス海岸と名付けた北上川の河床で化石の観察をしたり、故郷周辺の地質調査をしたりしていました。
また、賢治が生きた時代、東北地方は地震や津波が集中したり、天候不順による凶作が起ったりと、自然災害に翻弄されました。
不作に苦しむ農民を助けるため、賢治は地質や肥料の研究にいそしみ、病気に冒されながらも、死の前日まで農民たちの相談にのっていました。
そうして得た地学の知識や、厳しい自然に直面して感じた畏敬や素直なおどろきを、賢治は多くの作品に織り込んでいます。
賢治の文学が持つ深遠な世界観は、地学を通して世の中を見つめた結果、生まれたと言っても過言ではないかもしれません。
本書は、賢治がさまざまな作品に埋め込んだ地学の知識を発掘しながら、それに関連する地学の基礎知識を学べる新感覚の参考書です。
舞台は森の学校。宮沢賢治の大ファンであるケンジ先生が、賢治の作品集を片手

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