戦塵いまださめやらぬ桃山の世に、絢爛と咲いた一輪の華-やがて天下一の踊り手と謳われることになる乙女は、雪深き出雲に生を受け、舞の才を花開かせてゆく。歌舞伎の創始者として芸能史に燦然と輝く阿国の妖艶な生涯を描いた渾身の大河巨篇。昭和四十四年度芸術選奨受賞作。