オマーンの首都マスカトでのアメリカ大使館占拠事件が世界を震わせるなか、一人の下院議員が国務省の秘密機関をひそかに訪れた。それから数時間後、男はすべての身分を消して空軍機でアメリカを飛びたった。単身オマーンに潜入し、テロリストから230人余の人質を解放しようというのだ。男の名はエバン・ケンドリック。彼はテロの背景を正確に見抜いていた。暴徒を操るのはイスラムの狂信的救世主"マフディー"を名乗る男なのだ。かつて彼からすべてを奪った宿敵…。マフディーにいま立ち向うケンドリックの胸には、火のような復讐心が渦巻いていた-。