日本の歌の楽譜には間違いが多い。その上、旧かなも新かなも、ヘボン式も日本式も、日本語の発音を完璧に表記したものとはいえない。また、日常会話と歌の発音は同列に論じられるものではなく、歌においては独自の発音、発声法があってしかるべきである。いったい日本の歌とは何なのか、どのように日本語を歌えばよいのかについて、歌い手ならではの切り口で挑み、唱歌などにおける詩の改作についても具体例を挙げて問題提起した画期的レポート。