「すぐに手を打たないと破産だ。僕らの資産は一切合財、抵当に入ってる!」アメリカの装置メーカーの経営者であるフィルは、倒産寸前の経営難に陥り、学生時代からの親友マイクの父であるボブに再建策を懇願する。ボブは以前から、トヨタ自動車で大野耐一流の生産方式を学び、その志、ノウハウを様々な企業の再建に活かしていた。フィルはボブに、「本当に助けてほしいんです。工程からムダを取り除くのを手伝ってください!」と頼むが、現場で生じる人間関係のゴタゴタにうんざりしていたボブは、「悪いが、私はそういうことはやめたんだよ」と、当初頑なに固辞する。舞台は北カリフォルニア。改善が進んだ現場に、元トヨタの現場の鬼である田中さんが現れる。田中さんは近づいて言った。「品質のことは気にしていないのですか?」「何です?」フィルはどもって、言葉が出てこなかった。「あなたのマネジャーたちです。彼らは品質のことを気にしていません」「作業台を50センチでも動かすな!」という守旧派と改革派の葛藤をくぐり抜け、フィルは余命1か月の会社をはたして再建できるのか。