キャリフォーニ。ことばの壊れた日系人たちにそう呼びならわされた土地。その一画のイチゴ農場で働く長兄を頼り、移民船「あふりか丸」で渡米した作者は、当時十八歳。なけなしの100ドルが所持金の全て。しかし、そこは夢をつなぐ土地ではなく、違和と混乱の世界だった。大宅賞を受賞した、かつてない真率無類なアメリカ青春記。