フランス暗黒文学の巨星サド侯爵の、夫人宛の手紙を中心に編集した牢獄文学者の告白。特異な性的所業ゆえに、義母モントルイユ夫人によって投獄されたサドは、苦悩、怒り、嫉妬、時には最も秘密の欲望をも、躊躇なく夫人に打明ける。その赤裸々な表現は18世紀においてその比を見ない自由さ、大胆さに達している。サド研究の泰斗である渋沢龍彦が「できるだけ具体的かつ詳細な」註解を付す。
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