アメリカは不思議な国である。民主主義国家とは言いながら、政党の力はとても弱い。言論の自由が強く主張される一方で、異論に対する攻撃は激しい。ではアメリカの「国のかたち」は、どのように決められていくのだろうか。利害の調整がさまざまなレベルで、しかもモダンな雰囲気を漂わせながら複雑に展開されるために、その実像をつかむのは難しい。権力の意思が決定されていくプロセスを、大統領と議会やホワイトハウス、各省庁、ロビイスト、政党など多面的な関係の中にたどり、パワーゲームの舞台裏に迫る。