柳田国男の膨大な著作は、近代日本の思想の中にどういう位置をしめているのか?彼のたてた「日本人」の淵源へ向けた問いをめぐり、柳田の作品そのものに即して、その生いたちと環境、思念と想像、表現と文体を、精密に、かつ情意あふれる筆致で解読する批評の傑作。