許嫁・宮に裏切られた貫一は、金本位の世の中へ復讐を誓い、冷徹な高利貸"金色夜叉"となる。「今月今夜のこの月を…」の名文句で有名な熱海の別れや、貫一をめぐる女たちの壮絶な修羅場など、尾崎紅葉晩年の渾身作から名場面を凝縮。貫一・宮の恋の顛末、個性的な登場人物たち、偽続編の存在など、近代文学研究の第一人者による詳細な解説とコラムで名作の新たな魅力に迫る。平易な現代語訳で、難解な原作を手軽に1冊で味わえる。