今日、子育てノイローゼによる子どもの悲劇、夫婦関係のひずみによる母子癒着、そのための家庭内暴力などの子どもの病理等々、子育てによる様々な問題が生じている。親子関係、子育て、子どもの生活は歴史的に変化をしてくるが、本書では「家」の成立途上にある、また女性の男性への従属・子どもの父権への従属が開始される、社会の一大転換期であった王朝時代の貴族と庶民の家族生活史に、これら今日的問題の具体的あり方を探る。