一九八一年、大隈銅像のある大学。奇妙な犬の世話に疲れ果てたぼくは、ある哲学サークルに救いをもとめて入会する。当初は無我夢中となるが、その活動形態に、やがて根本的な疑念を抱き始める。「正しさ」の呪縛から逃れるために、雑踏に身をさらし、最後に、ぼくが、見たものとは…。まったく新しいシューキョー小説、世のスピリチュアルブームに一石を投じる渾身の意欲作。