父の顔も知らぬ私生児としての生い立ちから、一切の世俗を捨て、筆ひと筋にと凝っていく潔癖・凄絶な晩年まで、爛熟する江戸期大阪町人文化を背景に、"田舎者"本居宣長との論争、あるいは『雨月物語』等で著名なわが国最大の幻想作家の生涯を、いきいきと再現する、興趣つきない評伝。