明治の末頃大詩人と謳われた薄田泣菫の、「茶話」を除く全随筆作品から56編をよりすぐったもの。いわば泣菫版「自然と人生」。自然界・人間界の別なく、およそ生きとし生けるものの命のいとなみの種々相を、同じように生きる者として見つめる筆致は暖かく、香気薫る。