中国大陸から九州と瀬戸内を経て、平安の都・京都まで。西海を結ぶ海路に乗って流れ込んできた当代の大国・宋の華麗な文物は、天皇家、藤原氏、平氏、源氏を巻き込み、国家の運命を決めてゆく。政治と経済の基盤が固まりつつあった時代の日本に、「海の道」が及ぼした決定的な影響とは-。比類なき斬新な視点に立って平安から鎌倉期の変転を展望する、歴史小説の新機軸、堂々誕生。