本書は二つの課題-世界的な銀行業小史の必要性、銀行史に関わる絵画や写真など視覚的資料の公開-を念頭に置いて著されたものである。本書は、これらを通じ世界的視野から銀行業の発展を眺めること、銀行業が現在もっている経済的、社会的力がいかに強大であるかを明らかにすること、銀行の中心的業務の起源と展開を探ってみること、20世紀後半に存在する多くの銀行がいかに古くそして時にはいかに複雑な歴史的背景をもっているかを示すこと、などを試みた。さらに、銀行業の世界的通史を概観すれば必ずや、銀行史にその足跡を残す個人、権門、支配的グループに目を向けることになるだろう。