人はなぜ酒を飲むのか。それは心地よい酔いを楽しむためであり、喜びを倍にするためであり、怒りを鎮め哀しみを忘れるためである。酒がわれわれにとって最良にして最高の友である所以だ。本書は、酒という「恋人」とつきあいだして半世紀になろうとする著者が語った、恋の遍歴の告白である。酒を愛する同胞はもちろん、酒を飲まない人も、陶然とした雰囲気が味わえる一冊である。