「代表作」ばかりが名作ではない。作家たちが残した数々の小説のなかには、あまり知られていないけれども極めておもしろい作品が存在する。そこには、作家の意外な一面や素顔がちらりと顔をのぞかせることも。裏まで奥まで、丹念に読めば読むほど深まる、小説の愉悦がここにある。夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介、太宰治といった文豪はもちろん、萩原朔太郎、宮沢賢治、近年再評価の進む尾崎翠や、現在活躍する多和田葉子など、彩り豊かな作家十二人が勢ぞろい。あなたにとっての名作が、きっと見つかる。