東南アジアについての戦後日本あげての無知・無関心は、日本人のうちにあった一種の「接触恐怖」によるのではないか。うっかり深入りして、かつての「自分」の所業に由来する「他人」の爆発的な敵意に直面させられたくないという警戒心。-互いが自分で自分を笑う能力をもたない限り、先に進みようのない現実がある-。大戦下のフィリピン占領を、民衆演劇を舞台に今、語り直す。「他人の物語」から見えてくる「自分の物語」とは。