朝起きて奥さんと碁を打ち昼寝して絵を描いて寝る-。こんな日課がもう何十年も続く。その絵が「天狗の落とし礼」と呼ばれた超俗の画家から紡ぎ出された思い出の数々。やわらかさのなかに鋭く光る、物の核心を見つめる確かな眼差し。