こつこつ積み上げてきた毎日。いつまでもこんな日々が続けばいいのに。葵殺しの裏に見え隠れするのは、二年前に鉄瓶長屋で起きた事件から尾を引く、大店湊屋のお家事情。絡まった心を解きほぐそうとする平四郎。「叔父上、ここはひとつ白紙(まっさら)に戻してみてはいかがでしょう」。弓之助の推理が過去の隠し事の目くらましを晴らしていく。進化する著者の時代ミステリー感動の結末へ。
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