世紀末ウィーンで男爵令嬢と心中した皇太子ルドルフを父に、ハプスブルク帝国の黄昏を予感する老皇帝を祖父に、運命の子として生まれたエリザベート。その流転の一生を描いて、ヒトラー・ナチス、スターリンの嵐に翻弄される「中欧」の三姉妹都市ウィーン、プラハ、ブダペストの動乱と悲劇を浮かび上がらせた一大叙事詩。