私、椎名耕助は、大学の同僚・乙骨三四郎とともに避暑を兼ねて信州へ旅行することになった。だが、N湖畔に立つ鵜藤家の一室を借りた私たちが、そこで恐るべき殺人事件に巻き込まれることになろうとは!「悪」そのものを結晶化したような美少年・真珠郎。「血の雨が降る」と不気味な予言を口にする謎の老婆。巨匠・横溝正史が耽美的作風の頂点を極めた戦前の代表長篇『真珠郎』登場!他に由利・三津木コンビが活躍する「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」「首吊船」「焙烙の刑」の四篇を収録した怪奇ミステリ傑作選。