フィリップ・オーギュストからミッテラン大統領まで、数多くの権力者の八百年にわたるドラマの舞台であったルーヴル。そこには、王はもとより芸術家たちの野心とロマン、愛と憎しみ、生と死の複雑に絡み合う人間悲喜劇が繰り広げられてきた。また文化国家の模範といわれるフランスの背骨を形成したのもルーヴルであった。本書は、ルーヴルを狂言回しにして、フランスの権力と文化のあり方を追求したものである。