人類史上最大といわれる産業事故-チェルノブイリ原発事故-の被害は想像以上に拡散した。影響はさらに深刻の度を増すだろう。しかし、正確にあのとき何が、なぜ起こったのか、そのすべてを語るレポートが、これまでにはなかった。本書は、旧ソ連の政治の内幕に精通し、同時に原子力開発利用の事情にも詳しく、ウラルの核事故を世界に知らしめた著名な生物学者が、経験と情報を駆使し、ドキュメントを収集し、あらゆる角度から分析をつくした最初の本である。