今世紀にはいってから、敦煌やトゥルファンをはじめ、西域と呼ばれる地域の各地で、おびただしい数にのぼる古文書が発見された。これらの多くは漢文文書であり、その分析をつうじ、従来、史書からは知ることのできなかった中国史上の諸制度の細部や社会のあり方、さらには人びとの生活の一端も明らかになりつつある。またこのような成果をふまえながら、新しい中国の国家像や社会像を築く試みも進められている。本書では、その一部を紹介。