大航海時代を飾る有名人物にヴァスコ・ダ・ガマ、コロンブス、ヴェスプッチ、マゼセンらがいる。彼らはそれぞれの局面で互いに面識をもち、交遊を重ね、ともにアジア到達を夢みた僚友であった。本書では、ややもすれば歴史の本脈から脱落しがちな彼らのあいだにみられる人間関係をひろいながら、彼らが競合しあって実行した航海の動態と、その所産といえる近代世界秩序創出の過程を検証したい。