私たちの社会を確実に蝕み続けている貧困問題。最近大きく取り上げられるようになった子どもの貧困のみならず、あらゆる世代にわたって、貧困に苦しむ人たちが増えている。だが、意外にもその姿はなかなか見えてこない。貧困問題の解決策をはかるためには、貧困を可視化し、この社会に生きる人々が問題をまず共有し、政治に働きかけていく必要がある。その貧困の可視化の1つとして位置づけられるのが、中日新聞で2016年度に連載し好評を得た「新貧乏物語」。当事者への取材記事のほか、客観的なデータも加え、いまここにある貧困を多面的に描き出す。