本書は、同時代の世界を動かしている多様な連関(出来事や思想)を、異なるフィールド(思想/土地・場)に身を置く視点から理解することで、〈「異貌の同時代」を描く〉という人類学の課題に一石を投じることを目指す意欲的な試みである。本書に収録された一つ一つの論文が禍々しいほどの生命力で跳梁跋扈し、パンドラの匣の怪物たちのしぶとさを備え、それぞれの研究領域での最先端の切っ先足らんことを読者に訴えている。