養女にしたお美濃の二十歳の祝いに振袖を、と考えた岡っ引きの友七親分と古手屋を営む女房・お文。だが、お美濃はそれを断ったという。一方、芸者時代に世話になった置屋の女将・お楽が体調を崩していると知ったお葉。お美濃とお楽が心に抱えた深い傷に気づいたお葉は一肌脱ぐことを決意するが…。情にもろくて鉄火肌、お葉の啖呵が心地よい人情時代小説。