陣屋大名の伊達嶋源次郎は、家来の浮田小五郎とふたり、気ままな旅を続けていたが、ようやく高井戸宿までたどりついた。そこで、かねて知り合いの女掏摸から人探しの手伝いを頼まれる。その手口の鮮やかさから、街道で「伝助劇場」として伝説にもなっている老掏摸からの頼みごとだった。顔が知られているので替わりにというのだが、老掏摸はなぜ自分で探さないのか、いわくありげな相談に乗った殿さまたちが調べていくと…。家なき殿さまと粗忽な家来の人助け珍道中、大好評第三弾。書下ろし時代小説。