十二歳年上の妻子ある自分のもとへ、大映の専属女優の座まで捨てて、乙羽さんはまっすぐに飛び込んできた-幾多の葛藤と膨大な仕事を生んだ二人の壮絶な四十二年間。妻が余命一年と宣告された時、夫は妻との最後の映画製作を決意した。人生の真実、男女の性、夫婦の晩年。異様な迫力と哀切に満ちた万感の書。