元の主を殺した咎で斬首を待つばかりの男は無実ではないのか?北町奉行所見習い同心・鈴原淳之助は疑問を抱き、密かに探索をつづけてきた。しかし、事件は南町の差配で、へたに動けば南北奉行所すべてを敵にまわしかねない。そうなっては、父の仇を捜すこともかなわなくなる。自分の信じる正義を貫くべきか、それとも…。悩む淳之助の下した決断は。