錺職の太市との仲が深まっていたはずのおまさが、米問屋西国屋への騙り事件に関わっていたとされ捕縛された。二人の縁を取り持った橘文吾は太市に頼まれ、岡っ引きの七之助から聞いた西国屋の事件にも興味を引かれて独自に調べ始める。その陰には、巧妙に仕組まれた勘定吟味役への罠が隠されていた。書き下ろし長編時代小説、渾身の第二弾。