本書は、孤独感を心理学的に研究し、見えてきたことを紹介する本です。筆者は、本書で次の三点を伝えています。まず第一に、孤独感には、淋しいとか暗いといった孤独感ばかりではなく、明るく充実した孤独感もあるということです。第二点目は、心理学的な実証研究によって、人間に関する知見が、より説得力を持っていく魅力です。第三点目は、青年期に出会った自分の人生をあげて向き合っている問題、それをテーマにした研究をしていく人生は、他には代えがたい格別の味わいがあるということです。