この一冊に託された、待望の新集成
まるく手を閉じて
日のなかで不自由の棘を持ちあるく
手指は羽根のある小鳥をまねて動きのままをたもち
わたしはあなたの声である
(「梢にて」)
「江代充の詩篇を読んでいると、いつの間にか、自分が、ふしぎな超越と浄化の時間にいることに気がつく」(粕谷栄市)。『梢にて』(萩原朔太郎賞)全篇をはじめ、第1詩集『公孫樹』から『隅角 ものかくひと』まで、全7詩集から代表作を網羅。飾りのない生の起伏を巡り、書き置かれた途上の歩みを辿る。解説=小川国夫、稲川方人、中村鐵太郎、上田眞木子