常に独自の観点で、衣服の概念を変えるものづくりを一貫して行ってきたデザイナー三宅一生。
2016年にタッシェンより発売された集大成ともいえる書籍『Issey Miyake 三宅一生』(北村みどり企画・責任編集)に収録された小池一子のエッセイ8章に、書き下ろしの第9章を加え、新たな読み物として一冊に。
学生時代からの三宅を知り、その目覚ましい活躍と、ものづくりだけに留まらないさまざまな活動を特別な距離で見守り、関わってきた著者だからこそ描き得る仕事と人と成りを、同時代人としての小池らしい含蓄に富むテキストで仕上げています。
また、日本のクリエイティブを支え続けている小池ならではの表現と視点は、三宅を中心にその時代感覚も巧妙に描き出し、ドキュメンタリーとして興味深い作品が生まれています。
各章には、横尾忠則が1977年から1999年までの間で手がけたイッセイ ミヤケ パリ・コレクションの招待状から、約30点をカラー図版で掲載。
活版印刷の重厚感ある縦組みの日本語テキストと、洗礼された横組みの英語テキストが対を成す、浅葉克己の手腕の光る単行本になりました。
〓和英両面表紙(紙クロス貼り・箔押し)
〓完全バイリンガル(和文:縦組、活版印刷)
三宅 一生(みやけ・いっせい)デザイナー
1938年広島生まれ。多摩美術大学卒業。1970年、三宅デザイン事務所設立。1973年からパリ・コレクションに参加。衣服デザイナーとして、活動の当初から“一枚の布”を基本理念に据えて身体と布の関係を問い、創作活動を続けてきた。既成の枠にとらわれない自由な発想を、ねばり強いリサーチと実験のプロセスを経て現実化するものづくりの姿勢は、現在に至るまで一貫している。