直木賞作家が描く、かつてない「忠臣蔵」!
江戸から扇野藩へ配流されてきた旗本・永井勘解由と、苦難を共にすることを決意した紗英。
流罪人である勘解由との祝言はささやかだったが、紗英は幸せだった。
一方、元赤穂藩の大石内蔵助らは、吉良邸討ち入りの準備を進めていた。
決行されれば、浅野内匠頭の“遺言”を聞いた勘解由も窮地に陥る。
他家の家臣のために命を顧みない勘解由の姿に思い惑う紗英に、勘解由は自身の壮絶な過去を語り始めた――。
信じるもの、愛する者のために自らを捧げた男女の高潔な志が胸を揺さぶる、感動の時代長篇。