幕末維新は単なる断絶ではない。そこには近世から流れる文化的水脈があった――。
「神仏分離」「廃仏毀釈」「世直し」「民衆宗教」「キリシタン禁制」「攘夷」「護法論」「伊勢神宮」「上知令」など、幕末維新期を彩るキーワードに焦点を当て、思想・宗教の側面から幕末維新期を再考。明治維新から150年を経て、文化史の視座から近世と近代の架橋を試み、近世・近代を分断する「断絶点」として幕末維新期を捉える教科書的なイメージの覆しを試みた野心的研究入門書!
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進歩史観に対する反省を念頭に置きつつ、幕末維新期に断絶性だけではなく連続性をも見出そうという本書の視座は、したがって近世の知的営為のうちに近代の萌芽を見出すことを目的とするようなものではない。本書は、そうした近代化論的な視座に立つのではなく、むしろ近代といわれている時代のなかに、近世的な世界観や思惟様式がいかに継承あるいは展開されていったのかを、思想・宗教の面から問うものなのである。(「はじめに」より)
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執筆者(五十音順):青野誠/岩田真美/上野大輔/大澤広嗣/大谷栄一/碧海寿広/落合建仁/桐原健真/オリオン・クラウタウ/ジャクリーン・ストーン/芹口真結子/髙橋秀慧/谷川穣/林淳/引野亨輔/舩田淳一/ジョン・ブリーン/朴澤直秀/星野靖二/松金直美/三浦隆司