文政9年正月。今年こそは平穏な日々を送りたいと願い、
家族と穏やかな元旦を過ごしていた小籐次のもとに、森藩の近習頭・池端が訪ねてくる。
旧主・久留島通嘉が床に伏せって、新年の登場を拒んでいるという。
この窮状を救って欲しいと懇願され、旧主を見舞った小籐次は、
通嘉が何者かから「初登場の折、森藩の御鑓先を頂戴する」と脅されていた
ことを知る――
初老の小籐次が江戸中の人気者となった原因であるかつての事件『御鑓拝借』の
意趣返しなのだろうか。
とうやら自分の撒いた種だと知った小籐次は新年早々から奔走することになる。
果たして黒幕は何者なのか―ー。
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(7月『旅仕舞』)新刊書き下ろし!シリーズ第15弾。