外国語教育に役立つと言われている第二言語習得理論で、今どんなことが言われていて,日本語教育にどう生かせるのか。最新の知見を知って、教室活動を見直してみよう!
第1章では,学習者が習得すべき言語能力をどうとらえるべきか,また言語を使う,言語を学ぶとはどういうことなのかを考えます。第二言語習得を促進する教室活動を考えるにあたり,まずはおさえておきたいポイントです。
第2章では,第二言語習得において,良くも悪くも学習者言語の発達に影響を及ぼす要因を考えます。学習者の発達段階には教師が介入して変えることができないプロセスが存在します。学習者自身が持つ特性(年齢,認知的能力や性格など)も習得に複雑に絡んでいます。また,教え方次第で学習成果が異なってくる可能性もあります。
第3章では,第1章と第2章を踏まえた上で,教師が教室でできることを考えます。第二言語習得の知見に基づくと,教室活動の一つ一つに,なぜやるのかという意義を見いだすことができると思います。