長崎で最新医学を学び、西洋剣術をも会得した若き医者・沢村伊織。
ある日、そんな伊織のもとに、かつての学友である吉田剛三郎が訪ねてくる。
旧友を温めつつも吉田が頼んできたのは、
ずばりある手術の手伝い……某藩の若君の性的不能を治療するというものであった。
いささか他聞をはばかる話ではあったが、ことはお世継ぎ問題、
ひいては、御家の存続にもかかわってくる。
当人はもとより、藩全体を巻き込んだ、じつに深刻な問題なのであった。
一方、奉行所の要請によりある亡骸の検死をおこなった伊織は、
高価なお宝をめぐる騒動にも巻きこまれていく。
謎の刺客を迎え討ち、その先に伊織が見た真実とは……。大好評シリーズ・第八弾!